【税収と支出】税金の本当の意味【租税貨幣論】
政府は国民から税金を徴収し、その税収で様々な公共サービスを提供している。
多くの方がこう思っているかもしれませんが、実際は違います。
政府がお金を使うだけなら、税収は必要ありません。
税収が必要ないことの説明については、以下の記事で簡単にですが説明しています。
税収が必要ないのであれば、政府は何のために徴税しているのでしょうか?
税金の本当の意味について説明していきます。
特に経済の知識等はなくても大丈夫なように説明します。
税金の必要性
税金の必要性は3つあります。
- 日本国内での「円」の流通
- インフレ率の抑制
- 格差拡大の是正
税収としての役割に意味はありませんが、重要な役割が3つあります。
1つずつ順番に説明していきます。
「円」の流通
なぜ我々は「円」を使うのでしょうか。
「ドル」や「ユーロ」「ポンド」ではダメなのでしょうか。
日本国内で「円」が使われているのは、みんなが「円」を使っているからではありません。
この理由だと、じゃあ皆が一斉にドルを使いだすと、「円」が「ドル」に変わるのかというと、そんなことはありません。
国民や企業は日本政府に納税の義務があります。
そして、政府は税金を「円」で受け取ります。
「ドル」や「ポンド」では受け取ってくれません。
法人税や所得税は「円」で支払う必要があります。
日本国内で活動している場合、納税時に必ず「円」を持っている必要があり、持っていなければ納税のために両替する必要があります。
そのため、最初から円で取引をしています。
インフレの抑制
税金の2つ目の役割は、インフレの抑制です。
インフレ率が適正な範囲(2~3%程度)を超えそうな場合には、増税することで、市場に出回るお金の量を減らすことで需要を減ります。
需要が減れば、インフレ率が下がることになります。
逆にデフレ時には減税することで、なるべく市場にお金が残るようにして需要が減らないようにします。(日本政府は全く真逆のことしかしていませんが)
格差拡大の是正
税金の3つ目の役割は格差が拡大しすぎるのを緩やかにすることです。
資本主義は仕組みとして、経済成長による従業員の賃金上昇よりも、株主配当等の資産からの収入の方が増えやすくなっています。
つまり、労働者と資本家の資産の差がどんどん大きくなっていきます。
この格差拡大を少しでも緩やかにするための仕組みが累進課税です。
所得税などは累進課税なので、格差拡大の是正に働きますが、格差拡大を促進する税金もあります。
消費税などは、税率が一定なので、逆累進性の高い税となっています。
一般に、低所得者層ほど、所得に占める光熱費や食費等、生きるために必要な支出の割合が高くなります。(収入が低いほど、その大部分を光熱費、食費等に使うことになり、趣味などに使うお金が少なくなる)
まとめ
以上、簡単にですが、税金の本来の役割を説明してきました。
日本の場合、政府の財源としての税収は不要です。
日本国内での「円」の流通
インフレの抑制
格差拡大の是正