【資本主義の原理原則】誰かの黒字は誰かの赤字〜プライマリーバランス黒字化目標の真実〜
誰かの黒字 = 誰かの赤字
資本主義の世界で生きている以上、逃れられない原理原則です。
とても単純で皆が知っていることです。
こんなのを改めて言われても何になるんだと思うかもしれませんが、
実はこの単純な原理原則を理解しているだけで、日本の経済政策がどういうものなのかがハッキリと理解できるようになります。
国の借金がいつのまにか1100兆円を超え、国民一人当たり900万円を超えるようになってきました。
政府はこれ以上借金を増やさないようにするために、プライマリーバランスの黒字化目標というのを2013年から掲げています。
果たしてこれはどういう意味なのか。
政府がプライマリーバランスの黒字化目標を達成すると我々日本国民はどうなるのかについてなるべく簡潔に解説します。
政府の収支状況とプライマリーバランス黒字化目標
日本政府は2020年時点で、収入(税収)が約60兆円、支出が約100兆円となっています。
大幅に赤字です。
この収支を黒字にしようというのがプライマリーバランス黒字化目標のことです。
政府が黒字化するとどうなるのか
さて、では政府の収支が黒字になるとどうなるのか。
簡単です。
政府の黒字 = 政府以外の赤字
です。
では具体的に「政府以外」とは何でしょうか。
日本国内の収支に関しては、以下の式が成り立ちます。
政府の収支 + 企業の収支 + 家計の収支 + 海外の収支 = 0
政府や企業・家計、それと海外の収支を全部足すと、0になります。
つまり、政府の収支が黒字になると、企業、家計、海外の収支がトータルで赤字になる必要があります。
そうです。
誰かの黒字は誰かの赤字です。
政府の収支が黒字になる、つまり、政府が負債を返済していくと、その分、企業や家計の資産が減っていきます。
政府は借金を返していかなくて大丈夫なのか
政府が黒字化すると、我々国民が赤字化する。資産が減っていくことは分かったかと思いますが、そうは言っても、「1,000兆円以上ある負債を返済しなくて良いのか」という疑問はあるかと思います。
しかし結論から言うと、実質的に政府は負債を返済していく必要はありません。
政府が負債を返済する必要がない理由についてはこちらの記事を参照ください。
政府が黒字化する世界か、政府が赤字を拡大していく世界。
皆さんはどちらの状態が良いでしょうか?
個人的には政府には赤字を拡大し続けて欲しい所です。
- 誰かの黒字 = 誰かの赤字
- 政府の黒字 = 民間(企業・家計)の赤字