【インフレとデフレ】お金を刷ると物価は上昇するのか?
インフレとデフレという言葉は聞いたことがある人も多いと思います。
意味についても何となく知っている人も多いのではないかと思います。
テレビやニュース等では、お金を剃りすぎたり、ばら撒いたりすると(ハイパー)インフレになるとか、言われたりすることもあります。
果たして本当はどうなるのか?
インフレとデフレについて、なるべく簡潔に説明していきます。
とてもシンプルな内容なので、経済の知識等は必要ありません。
インフレ・デフレとは?
インフレはインフレーションの略です。
デフレはデフレーションの略です。
では、それぞれどういうことなのか、定義を見ていきます。
インフレとは?
インフレとは「持続的に物価が上昇し続けること」です。
インフレが良いのか悪いのかは一旦置いておきます。
インフレの説明として、
インフレとは「お金の価値が下がることである」
という説明をたまに見かけることがあります。
この説明自体は間違ってはいません。
今まで100円で10個買えたモノが、値上がりすると9個しか買えなくなる。
つまり、お金の価値が下がっているということになります。
しかし、お金の価値が上がる、下がるという見方が先に来ると、正しい貨幣観を理解しにくくなります。
なので、あまりオススメしません。
インフレとは単に物価が上昇することで良いと思います。
デフレとは?
デフレはインフレの逆で、物価が下がり続けることです。
1997年以降の日本のような状態ですね。
デフレはインフレとは逆でお金の価値が上がります。
ただ、インフレでも説明しましたが、この見方が先に来ると、貨幣観を理解しにくくなる可能性があります。
「お金の価値が上がる・下がる」と思ってしまうと、「お金自体に価値がある」と思い込んでしまいがちだからです。
余談ですが、FX等の為替レートもお金自体を商品として見ているので、お金自体に価値があると思い込んでしまいがちですが、現代の貨幣ではそんなことはありません。
物価はどうやって決まるのか?
物価は需要と供給で決まります。
お金がたくさんあるだけでは、物価は上がりません。
(お金がないよりはある方が、物価が上がりやすくはなりますが。)
最近では、コロナ騒動でのマスク価格の高騰が分かりやすいです。
マスクを買いたい人はたくさんいる(需要がたくさんある)けど、製造が追いついていない(供給が足りない)。
普段よりも多少高くなっても欲しいと思う人がたくさんいるから、価格が上がっていきます。
一時はマスク価格が高騰しましたが、マスクの製造量が増え、市場への供給量が増えてきて、マスクの価格は元の価格に落ち着いてきました。
お金を配った後の使い方は人それぞれ
お金がたくさんあれば、消費が増える(モノやサービスをたくさん購入する)かもしれませんが、必ずしも消費に使われるとは限りません。
コロナのような非常事態に備えて、貯蓄に回したり、負債を返済したり、もしくは金融商品に投資をしたり。
色々な使い方があります。
マネタリーベースを増やし続けた日本
お金を刷っても物価が上昇するとは限らない、分かりやすい例として、安倍政権下で2013年から量的緩和(お金をどんどん発行すること)が行われてきました。
ちなみにこの量的緩和は紙幣を印刷するのではなく、日銀当座預金という形で発行されてきました。
このあたりのお金の発行については別記事にて説明します。
日銀がマネタリーベース(市場のお金)を約370兆円増やしていますが、全くインフレになっていません。
供給されたお金は実体経済には回らずに金融経済に回っていたためです。
もう少し詳細に説明すると、日銀から供給された日銀当座預金は、金融機関のみが扱えます。
この日銀当座預金が市場に出回るためには、企業(や個人)が銀行からお金を借りる必要があります。
しかし、デフレ下で銀行から積極的に融資してもらって設備投資に回す企業なんてそうそういません。
なので、実体経済では使われなかったのです。
まとめ
マスクの例やマネタリーベースの例などから、物価について説明してきました。
- インフレは物価が上がり続けること
- デフレは物価が下がり続けること
- 物価は需要と供給で決まる
- お金を配っただけでは物価は上がらない
- 使おうとして初めて物価が上がる