【政府と民間の違い】国民経済を考える時のポイント
政府の経済政策がどんな影響があるのかよく分からない。
考えようと思ってもよく分からない。
だから、テレビや新聞で言われていることを何となくそれっぽいから事実だと思ってしまう。
こう言う方はけっこう多いんじゃないでしょうか。
実は、政府の政策等を考える場合、普段皆さんが意識している目線とは違うポイントを意識する必要があります。
国民経済が理解できない、間違える人の多くが、この違いを意識できていません。
そもそも考えたことがない人が多いかもしれませんが、このポイントを意識するだけで、国民経済の理解度は一気に高まります。
とてもシンプルな内容です。
政府と民間の最大の違い
正確には、政府と民間ではなく「政府とその他の経済主体」ですが、簡単のために、「政府と民間」とします。(今回の記事では大した違いはありません)
政府と民間の最大の違い、それは、政府は「通貨を発行できる」ということです。
通貨発行のプロセスや、お金とはそもそも何なのかという話を説明しだすと、本記事の趣旨とはズレるので割愛させていただきます。
そうです。
政府はお金を発行できるのです。
それも、理論上は無制限に(もちろん、実体経済の状況に応じた制限はあります)。
制限となるのはインフレ率のみです。
ですが、現在の日本は20年以上デフレが続いているので、インフレの心配なんて、実際にインフレになってからすればいいことです。
政府目線で考える時のポイント
私たちは企業でも個人でも、収支は黒字の方が良いですし、借金は返していく必要があります。
借金やその利息が返せなくなると、債務不履行となります。
企業や個人の収入は売り上げや給料等、限られているので、その中でやりくりしないといけないという意識があります。
しかし、政府にはこれが当てはありません。
政府(特に日本政府の場合)は、負債が増えていくことを気にする必要はありません。
理由は、先ほど話した政府とその他の最大の違い、政府は通貨を発行できるからです。
通貨を発行するとは具体的にどういうことなのかについては、詳しい説明が必要になってくるので、別記事で解説します。
政府は自国通貨であれば、いくらでも負債を膨らませることができます。
正確には4つの条件を満たしている場合に限りますが、日本の場合は満たしているので、あまり気にしなくても大丈夫です。
- 国債が全て自国通貨建てで発行されている
- 変動為替相場制である
- 政府が中央銀行を保有している(通貨を発行できる)
- インフレ率が適正範囲内(2〜3%以下)
上記の4つの条件のうち、1〜3は仕組みの問題です。
日本は1〜3の条件を満たしています。
4はその時々の状況によります。
インフレ率に関しては、1997年以降の日本はデフレのため、気にする必要がありません。
政府目線で国民経済を見るとどうなるか
さて、今まで個人・企業の目線で見ていた国民経済を見るとどうなるか。
一番大きな違いは、各種政策をする際に「財源を気にする必要がない」ということです。
先ほどの4つの条件を満たしている限り、お金は必要な分だけ政府が発行すれば良いので、財源を気にする必要はありません。
じゃあ、そもそも税収は必要ないんじゃないのか?という疑問が出てきますが、税金には財源としての役割はありませんが、別の役割がきちんとあります。
税金の役割については別記事で解説します。
まとめ
- 政府は通貨を発行できる
- 政府は財源を気にする必要がない
これらを意識してニュース等を見れるようになってくると、年金や医療費、介護費、公共事業等に対する見方が変わってくると思います。